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病気・医療
入園前の準備と心構え
入園前後の子供の健康管理
保育園や幼稚園の入園で生活が一変、集団生活を送るにあたり、子供の健康状態が心配というパパママは多いでしょう。ワクチン接種の必要性や病気に対する心構えについて、小児科医の保坂篤人先生にお聞きしました。
保坂篤人先生
Sachiko Kitano
保坂こどもクリニック(東京都文京区)院長。地域の公立保育園や幼稚園の園医を務め、病児保育ルームで病気の子供を預かるなど、地域の児童の健康のために貢献。お母さん方の子育ての相談にも、快く応じる頼りになるドクター。
帰宅後は1杯のお茶がオススメ!
風邪やウイルス感染の予防として、帰宅後は手洗いとお茶(水、白湯もok)を飲むといいでしょう。喉についたウイルスは胃に落ちて胃酸で死滅するため、うがいができない子にも有効です。
ワクチン接種は入園前に確認集団感染を防ぐ意識を持って
これまで家で過ごしていた子供が保育園や幼稚園に入るのは、かなり大きな環境の変化です。慣れるまで、園でずっと泣いていたり、食事もお昼寝もできなかったり、緊張から便秘になる子も少なくありません。
特に免疫力が弱い0~1歳児の場合、集団生活がはじまると他の子供と接触するため、病気の感染は免れません。ワクチンで防げる病気は、入園前にできるだけ予防接種を済ませておくと重症化の予防になります。
予防接種は、集団による感染の広がりを防ぐ目的もあります。園医がいる場合、入園前健診が行われ、ワクチン接種の状況を確認します。園医がいない場合は、かかりつけ医の健診を受けましょう。健康診断書の提出を求められる場合があります。
母子手帳を確認し、MRワクチン、水ぼうそう、おたふくなど、1度も受けてないものは優先的に接種しましょう。その後、4種混合、ヒブ、肺炎球菌の追加接種を受けるのがいいでしょう。短期間で済ませるには同時接種も考慮し、かかりつけ医とよく相談して受けましょう。
例えば、はしかは感染すると重症化の恐れがある病気です。1歳で受ける定期接種ですが、0歳児で保育園へ入園するなら、任意で1度ワクチン接種を受けておくといいでしょう。わが子も、周囲の子も守る意識を持ちましょう。
規則正しい生活リズムとサポート体制を整えること
病気になった際、重症化させないためには基礎体力をつけることが大事です。日頃から食事や睡眠をしっかり取り、規則正しい生活リズムで毎日を送りましょう。
「早寝早起き朝ごはん」が1日のリズムを作る基本。朝食をとると腸が動き出します。排便を済ませて登園できるよう、時間の余裕を持って1日をスタートさせましょう。
ワクチンで防げない病気もたくさんあります。入園1年目は、季節ごとに風邪で熱を出したり、皮膚疾患、腹痛など、頻繁に病気になる可能性があることを覚悟しておきましょう。働くママとパパで連携したり、身近に両親がいるなら面倒を見てもらえるか早めに相談しておきましょう。地域の病児保育施設を調べ、事前に登録しておくと安心です。
園生活はスタートが肝心!上手に慣れさせるポイントは?
親子とも新しい環境に慣れるのに時間がかかります。夫婦で相談して乗り切りましょう。規則正しい生活リズムを作ろう!
朝の支度に必要な時間、夕食や入浴にかかる時間を判断し、夫婦で相談して、起床、就寝、食事の時間を決めましょう。園の送り迎えも、夫婦でシェアできるといいでしょう。
育児サポートを確認しておこう!
パートナーはもちろん、両親のサポート、地域の育児サポートを調べて活用しましょう。病児保育施設、夜間診療のある小児科医などもチェックしておきましょう。園からの緊急連絡も夫婦どちらが先に受けるのか、相談しましょう。
※この記事は「miku」30号掲載のものです。※画像はすべてイメージです
イラスト/サカモトアキコ 取材・文/中野洋子