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2023.03.01

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育児

今だからこそ知っておきたい、こどもの便秘 —Vol.1—

甘くみてはいけない!こどもの便秘

近年、増えてきていると言われる“こどもの便秘”について、腸内細菌のスペシャリスト、内藤裕二先生にお話をお伺いしました。今回から3回にわたって、お伺いした内容をお届けいたします。

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内藤裕二先生

Yuji Naito

京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学講座(寄附講座)教授
消化器内科医として治療や内視鏡診療にあたるだけでなく、生活習慣病の他、腸内フローラや免疫の研究を専門とされています。腸内細菌研究の第一人者としてメディアにも多数出演。書籍の執筆や講演活動など、腸と健康について常に最先端の情報を発信しています。

甘くみてはいけない!こどもの便秘

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みなさんは、便秘についてどういう印象を持っていますか?
便秘は、体質なので仕方ない、たいしたことない、と思われがちですが、実は放っておくと悪循環を引き起こす厄介なものなのです。体外に排泄されるはずの毒素や老廃物が長期間とどまることにより、全身状態に影響を与えることもあります。ただ、中には、便秘であることに気付いていない場合もありますから、排便の仕組みから便秘の症状、原因、対策まで、正しく理解を深めていただき、お子さまの健康に役立てていただければと思います。

こどもの便秘について

― こどもの便秘はいつから始まる?

便秘症は乳児期や小児期から起き、特に離乳食開始時やトイレトレーニング、進学など、食事内容や環境の変化で起こりやすいといわれています。まだ小さいから、と放置すると便秘はどんどん悪化し、こじらせると、排便機能を育てることができずに一生便秘で苦しんでしまうことになりかねません。

― こどもの排泄機能は成長段階

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食べたものが消化、吸収され、不要なものが便となります。直腸に便がたまると“脳”が便意を感じ、トイレに行くよう促します。トイレでは、便を出すためにお腹に力を入れていきみ、肛門の筋肉が開くことで便が排泄されます。この複雑な一連の流れ「排便機能」は、赤ちゃんの頃は全然育っておらず、オムツはずれに向けて次第に育っていき、小学校高学年になってやっと大人並みになると言われています。つまり、こどもはまだ、排便機能が未熟であり、大人のようにできないのは当たり前。むしろ、しっかり排便機能が育つようにサポートしてあげる必要があるのです。

便秘が引き起こす悪影響

― 痛みにより「トイレ=恐怖」の悪循環

小さい子どもが、硬い便を出す時に肛門が切れて痛みを感じると、次にトイレに行くのが怖くなったり、便意を我慢したり、肛門の筋肉を締めながらいきむのでうまく排便できない、ということがよくあります。排便を我慢していると、便意を感じにくくなり、便が腸に長く残ります。大腸は、便から水分を吸収する役割がありますので、どんどん水分が吸収され、硬い便となってますます出にくくなります。そうなると排便時に痛みがあるので、さらに排便を我慢して悪循環となるわけです。

― 腸が鈍感に

このようなことが続くと、常に便が腸(直腸)にある状態が続くことになり、直腸が広がって鈍感になり、便意を感じにくくなってしまいます。便秘でない人であれば、直腸に便がたまると便意が生じる(ウンチをしたくなる)のですが、それが起こりにくくなる結果、便が長く腸に止まって硬くなっていくのです。 このような悪循環により、こどもの慢性便秘症は悪くなってしまうと考えられています。

こどもの便秘対策は早い方がよい

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大人でも痛い思いをすると次は覚悟がいるものです。小さいお子さまならなおのこと。便秘の悪循環を断ち切るためにも、こどもの便秘症は早めに対処することが極めて重要です。一時的に薬で排出するなどの、その場しのぎの対処療法ではなく、原因療法で腸内環境を整えることが大切です。

文:太陽化学株式会社

※画像はすべてイメージです。