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2021.10.01

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ワークライフバランス

この秋、身につけておきたい知識を深めよう

はじめての共働き育児

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石井クンツ昌子先生

お茶の水女子大学理事・副学長。1987年~2006年カリフォルニア大学リバーサイド校社会学部助・准教授を務め、2人の育児を経験。日米における父親の育児・家事参加について研究。日本のイクメン現象の実態を解明し、ポジティブ家族社会学を提唱。著書に『「育メン」現象の社会学』(ミネルヴェ書房)他。

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はじめての育児はお互いの思いやりがポイント!共働き夫婦のハッピー戦略

今や専業主婦家庭よりも共働き家庭の方が増えているのが現状。とはいえ、育児や家事の主担当はあいかわらずママという家庭も少なくありません。共働き夫婦で子育てするには、どのような心がけと工夫が必要なのでしょうか?欧米の子育て事情にも詳しいお茶の水女子大学の石井クンツ昌子先生に教えていただきました。

専業主婦家庭よりも共働き夫婦が増えている

女性たちの生き方の多様化や高学歴化といった影響もあり、結婚しても働き続け、育児と仕事を両立する女性は増えています。専業主婦家庭の数よりも、夫婦共働き家庭の数が上回ったのは1997年で、それ以後は上昇傾向です。
共働き家庭の場合、パパの育児参加は必須条件です。「イクメン」が認知されるようになり育児休業を取得するパパは増えているものの、未だ全体の7%程度にとどまっています。育休が取りにくい、周囲に迷惑をかけるのではないかなどの理由で育休取得する人はまだまだ少なく、男性たちも理想と現実の狭間で揺れています。
職場環境も重要ですが、職場が変わることを待っていても時間がかかります。ここはまず、パパの意識改革からはじめましょう。育児に関わりたいというパパも増えてきてはいますが、実父が育児に全く関わらない家庭で育った男性は、「育児は女性の役目」という固定観念を強く持っている傾向もあります。

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夫婦で日常的によく話し合い3つのマネジメントを

共働きで育児・家事をうまくやるためには、マネジメントの意識を持ちましょう。1つ目は「タイムマネジメント」で、働く時間と家事・育児の時間を把握することです。
パパとママの勤務スケジュールがありますから、可能ならまずその見直しから。通常の出社時間、退社時間はもちろんですが、残業についてもその時間分残業する必要があるのか、毎日残業が必要なのかなど見直してみましょう。そこに、日中の登園・降園時間や保育ママやファミリーサポートさんにお世話になる時間など、子供の1日のタイムスケジュールを重ねてみましょう。送り迎え、食事の支度、掃除・洗濯などの家事、お風呂や寝かしつけなど、日によってどちらが分担するかも決めながら、1週間のスケジュールを立ててみましょう。
ネットやSNSのカレンダーで管理したり、ホワイトボードや紙に貼り出すなどすると、夫婦で情報を共有できます。
1週間の中で、パパママそれぞれの自分時間(一人の時間)を作るよう意識して、予定をカレンダーに記入しておきましょう。パートナーに子供を預け、散歩に出かけたり、カフェで本を読むのもいいでしょう。リフレッシュできると、また子供と笑顔で向き合えます。
1ヵ月単位でのスケジュール表を基本に、園の行事や家族旅行など先の予定まで管理しておくと、さまざまなことが余裕を持って準備できます。

子の成長により働き方も変化長期的なキャリアプランを

2つ目に考えたいのは「マネーマネジメント」。共働き夫婦の場合、収入が多い分つい使ってしまう傾向もありますし、総額が見えにくいこともあります。節約を気にしすぎるより家電を購入したり、ハウスキーパーを使うなどの方が、家族に余裕が生まれることもあります。
3つ目は「ワーク・ライフ・バランス」です。タイムマネジメントでも触れましたが、パパママそれぞれの働き方も見直してみましょう。子供の成長に応じてお世話にかかる時間も変わってきますし、夫婦それぞれで仕事に打ち込みたい時期もあるでしょう。パパとママのキャリアアップや夢の実現など、5年後、10年後を見通して、ワーク・ライフ・バランスを考えることが大切です。自分時間を作り出して、将来に向けて趣味や学びを始めるのもいいでしょう。

お互いに心を開きコミュニケーションを最優先

この3つのマネジメントをするためにも、夫婦のコミュニケーションがとても重要です。
時間がないからこそ、意識して心を開き本音を語ることが大切です。週末には「夫婦ミーティング」の時間を作り、大変だと感じていること、相手への要望、自分の望みなどを伝えましょう。このときのコミュニケーション法は、相手の気持ちを責めずに受け止め、具体策やお互いの考え方で改善する方法を探ることです。
夫婦共働きで子育て家庭をハッピーに営んでいくためには、思いやりを持ったコミュニケーションと、現状から解決策を前向きに考える思考が欠かせません。

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